【書評】『まんがで身につくアドラー 明日を変える心理学(鈴木義也)』の感想

アドラー心理学

『まんがで身につくアドラー 明日を変える心理学』を読みました。アルフレッド・アドラーはオーストリア出身の精神科医、心理学者で、「過去にとらわれない未来志向」の心理学を提唱しました。

アドラー心理学は科学ではなく、思想や哲学に近いと思いますが、実際に役に立つ考えもあると思います。また、本書はまんがでショートストーリーになっているので共感できる部分もあると思います。

本書は章ごとにショートストーリーになっており、アドラーの主張が取り上げられています。そのいくつかを取り上げたいと思います。

過去にとらわれない未来志向

アドラー心理学では、人は過去の原因に規定されるのではなく、その人の目的に向かっていて、その目的の方向は自分で選べるとしています。

過去の経験があって今の自分があるとポジティブにとらえるのはいいと思いますが、「どうせ自分なんて」と言い訳して行動しない人に向けた提案なのかなと私は思いました。

過去に規定されないというのは違うと思いますが、過去を言い訳にしてくよくよしていても人生は切り拓けないので、未来に向けて主体的に生きることを主張したいんだなと感じました。

劣等感と優越感

人は劣等感を優越感で補おうとします。アドラーは劣等感や優越感は比較から生まれ、これらにとらわれる次元からの脱却を提唱しました。全ての人は唯一で独自であり、対等で尊重されるべき存在であるとしています。

私もこの部分については同意です。他人と比較しても、下と比べて安心するか、上と比べて落ち込むか、いいことがないと思います。周りからの目を気にせず、自分が本当にやりたいことに、取り組むべきだと思いました。

課題の分離

これはある生じた問題について、自分の課題、相手の課題、共同の課題のどれにあたるか考えるというものです。自分が抱えている問題も実は相手の課題であり、自分が抱え込む必要がなかったりします。

私自身は誰かに依存したり、されたくないので無縁な問題だと思いました。しかし、誰の課題なのか混同している人は周りにいるなあと思いました。

人としてある程度は自立し、自分の行動、人生には自分で責任を持った方がいいと思います。優しさで他人を助けてあげるのはいいことだと思いますが、自分が苦しくなるほど手を貸すのは違うかなと思いました。

ライフスタイル

ライフスタイルは、アドラー心理学に独特の概念です。自分の性格は、自分で選んだものである。必要なら適切なライフスタイルに変わる勇気を持ちましょうという考え方です。

変わる勇気を持ちましょうは大きく同意ですが、自分の性格は自分で選択したものというのは違うと思いました。性格は周りの環境や遺伝により規定されると思いますし、恵まれない環境で生まれた人にこんなことを言うのは可哀想だと思います。

共同体感覚を培う

幸せになるためには、富・名声・権力を求めるのではなく、豊かな人間関係を築きましょうという考え方です。

私も幸福には親密な友人が必要だと思います。人間関係を捨てて成り上がろうとしてもむなしいだけだと思いますし、何気ない時間を一緒に過ごせる友人・恋人がいるだけで幸せだと思います。

まとめ

今回取り上げたテーマ以外にも「I(アイ)メッセージ」、「完全さよりも行動が重要」など、そうだよなあと共感できる考え方がありました。

私みたいに、なんで生きてるんだろうと思案したり、考え事が好きな人は一度読んでみても面白いと思います。

ただ、科学的根拠はなかったと思うので、こういう考え方もあるんだなあくらいに考えるのがいいと思いました。

 

 

 

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