【書評】『運の方程式(鈴木祐)』の感想

運ゲーの世界をどう生きるか

2023年2月に出版された、サイエンスライター鈴木祐さんの著書『運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法』を読んでみました。

「人生って運ゲーだけど、運ゲーにも攻略法はあるよね」

この本はこのような問題提起に始まる、運ゲーの攻略本です。

努力することが大事、頑張っていれば報われる、と信じたいけど世の中は決してそんなことはありません。

生前、ゴッホが作品を評価してもらえなかったように、努力だけではなく、人生における運の要素を無視することはできません。

この本を読むと、様々なエビデンスに基づいて運を引き上げることができます。

運を上げるってちょっと怪しい

私自身、占いや運気など全く信じない性格です。

運をつかむ方法と聞いて、インパクトはあるけど、どういう内容なのか気になりました。

この本の著者である鈴木祐さんは、16歳から年に5000本、今まで10万本の科学論文を読破しているすごい人です。

鈴木祐さんは、健康、時間術など、誰もが抱える悩みに関する科学的知見を紹介しています。

かく言う私も、数年前から新刊が出るたびに購入して拝読しています。

『運の方程式』が出版されたときも、いつものように書籍を購入しました。

そして、この本を読むことで、自分の人生をより良いものにできることを期待して読み始めました。

「人生の幸運は試行回数で決まる」

この本は「読む」本ではなく、「やる」本です。

実際に行動に移すことで、幸運を高める4つの力を鍛えていきます。

この本は、以下の手順で実践していきます

1. 幸運スキル診断を行う

この本に付いている幸運スキル診断を行い、現在の4つのスキルのスコアをそれぞれ出します。

2. 一番低いスコアのスキルから改善する

本書では、スキルを高めるトレーニングがたくさん紹介されているので、一つを選んで、3~4週間実践します。

3. 再度幸運スキル診断を行う

トレーニングを実践したら、再びスキル診断を行い、現在地を確認します。

4. トレーニングと幸運スキル診断を繰り返す

これらを繰り返し実践していくことで4つの力全てを高めていきます。

 

私もこの本を実践中です。

実践する中でスコアが上がると、ゲームで経験値を得たような感じで楽しく感じます。

「子供のような好奇心を持ち続けるなかで、たまに正しい答えが見つかればよい」

この文は本書の一節です。

様々な行動をすると、たくさんの失敗を経験するが、その中で意外な発見や成功が見つかるということです。

行動しないと何も起こりません。

私は準備することに時間をかけすぎたり、時間やお金があったらやろうと、理由をつけて先延ばしにすることが多い人でした。

この言葉で行動の重要性を再認識し、興味のあることはとりあえず見切り発車しようと決めました。

実際に行動に移すことで新たな発見もあるし、やりたいことができているという満足感も得られます。

恐怖や失敗を受け入れる

幸運を手にするには行動するしかありません。

しかし、行動には失敗や不運が伴います。

また、自己を成長させるには自分にとってなじみのある「快適なエリア」を飛び出して、恐怖と向き合わなければなりません。

私自身もネガティブなことを避けたいあまり、引きこもっていたことがありました。

しかし、引きこもった先に幸福はありませんでした。

楽しくいきたいと思うのであれば、逃げるのではなく、社会と向き合わなければならない、そう感じました。

周りの人や社会は自分では変えられないけど、自分の行動、人生は自分の力で変えていける。

今ではそう思い、いろんなことに挑戦していきたいと思っています。

こんな人におすすめ!

最後に、成功も失敗も運であり、一喜一憂せずにゲームに挑戦し続けることでイージーモードになっていくと、本書では述べられています。

私は、本書を実践することで、自分の人生を自分の力で切り開いていくことができると感じます。

自分の行動を選択して変えていくことで、もたらせる結果は運かも知れないけど、自分の人生を自分で決められるという感覚(自治性)や満足感を得ることができると思います。

本書は自分の力で自分の道を切り開いていきたい人に是非読んでいただきたい一冊です。

蛇足ですが、本書は説得力を上げる様々な事例が盛り込まれており、読み物としても面白いと思いますので、気になったら読んでみてください。

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